大阪城では、重要文化財の古建造物である『多聞櫓(たもんやぐら)』・『千貫櫓(せんがんやぐら)』・『焔硝蔵(えんしょうぐら)』が11月24日(日)まで特別公開されています。(※公開日については施設情報参照)
大阪城内には、天守をはじめ御殿、屋敷、櫓、蔵など様々な建物が並んでいましたが、明治維新の動乱、第二次大戦の空襲などで多くの建物が焼失してしまいました。
今回公開されるのは、このような災禍を潜り抜けて今日まで残った貴重な建造物です。

出典: icoico
ところで、多聞櫓・千貫櫓ってどこにあるか、ご存知でしょうか?

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もし、大阪城に来た事のある方なら、その多くの方が目にしているはず。大阪城の西側に位置する大手門。その手前から左前方に見えるのが千貫櫓です。

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では、大手門を通過しましょう。

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目の前にドーン!と見える巨石の上にある建物。これが多聞櫓です。

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この場所を大手口桝形といい、敵の侵入をここで防ぐ鉄壁の守りを担った重要な拠点。多聞櫓に入る前に、石垣の上に見える小窓など、よく見ておきましょう。

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さて、大手門から多聞櫓を過ぎ、1分も歩けば案内が見えてきます。

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大阪城天守閣に特別公開の「多聞櫓」「千貫櫓」「焔硝蔵」のチケット1,200円。大阪城は広いので、ここでチケットを購入し、多聞櫓から順に見て「大阪城天守閣」に行くのがオススメ。
多聞櫓(たもんやぐら)へ

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まずは、多聞櫓からスタートです。

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大手口桝形の石垣の上に立つ多聞櫓は、大手門を越え侵入した敵を迎え撃つ機能をもっていました。この武者走りと呼ばれる廊下には兵士たちが籠城して寝泊りする小部屋の跡もあります。

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所々に銃を構えて覗き込むための銃眼があります。

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外を見ると、先ほどの大手門が丸見え。

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本来“多聞”とは、石垣の上に作られた長屋のこと。
石垣と塀をそろえた城壁、武器庫、兵士が詰める櫓といった機能があり、戦国武将の松永久秀が大和国多聞城で初めてあみ出した形式といわれています。

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ボランティアガイドさんも次から次へと資料を出してくれ、とにかく話が上手で面白い。
千貫櫓(せんがんやぐら)へ

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続いて千貫櫓へ。

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ここは大阪城の大手口を守る重要な隅櫓のひとつで、1620年の創建で、現存する大阪城公園内の中で乾櫓とともに最も古いもの。
かつて、織田信長が大阪の地にあった本願寺を攻めた時「千貫出しても取りたい櫓だ」と言わせたのが名前の由来。

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ここで人気なのが、体験用の火縄銃の展示です。

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敵の襲撃があった場合、銃眼から見える堀までは火縄銃の届く距離。

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ここで火縄銃を構えて記念撮影しましょう。
焔硝蔵(えんしょうぐら)へ

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多聞櫓、千貫櫓、そして3つ目の焔硝蔵です。
ここへは大阪城の西の丸庭園を横断して向かいます。途中で見える大阪城天守閣は記念撮影スポット。G20大阪サミットで各国首脳が集合した写真を撮影されたのもこの辺り。
さて、焔硝蔵は、1685年に建造された徳川幕府が鉄砲や大砲を使用する焔硝(火薬)を保管した蔵です。

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大阪城内にあった他の焔硝蔵が落雷で大爆発を起こした経験などから、耐火・耐久・防水に工夫され花崗岩の石造り。内部に入るとヒヤッと涼しく、重厚感あり見ごたえ抜群。

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石壁の厚さは2.4メートルもあり、このような石造りの火薬庫は他に例がないそうです。焔硝蔵内の通気口も見所ポイント。

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貴重な櫓の内部を紹介しましたが、分からない事があれば、ボランティアガイドの方が親切に教えてくれるのも嬉しいポイント。ぜひ大阪城の歴史を肌に感じてみてくださいね。
【施設情報】
重要文化財 大阪城の櫓内部特別公開
●LOCATION
大阪府大阪市中央区大阪城2
●期間
土日祝限定公開
2019年3月2日~11月24日
ただし、7月20日(土)~8月31日(土) は連日公開。(8/5・19・26は休館)
●時間
10:00~16:30(券売終了15:30、最終入場16:00)
文・写真/旅人間
※本記事に掲載されている内容は公開時点のものとなります。
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