心斎橋から徒歩5分。多くの観光客や買い物客で賑わう南船場にあるのに「さっきまでの慌ただしい雰囲気はどこにいったの?」と驚いてしまうくらい、ゆったりとした時間が流れている『大阪農林会館』。

2020年に90周年を迎える、建築物としても評価が高い大阪農林会館の秘密に迫ります。

 

館内に残る「歴史」の数々!昭和の雰囲気を堪能

出典: 大阪農林会館

1930年3月に三菱商事の大阪支店として建てられた『大阪農林会館』。白いタイルとビルの形はとても印象的です。

三菱地所に籍をおき活躍した建築家のジョサイア・コンドル氏や、曽根達蔵氏、真水英夫氏、保岡勝也氏、桜井小太郎氏など、多くの有名建築家を育て上げた作品のひとつだといいます。

時代が過ぎゆくなか、内装は大きく変更されていますが、随所に昔のままのディティールやインテリアが残っていて、なんともアンティークな魅力を醸し出しています。この建物自体に惹かれ、訪れるお客さんも多いそうです。

 

柱時計や窓ガラス、暖房、金庫…日本には数少ない技術も

では、実際に入ってみましょう!

出典: 大阪農林会館

趣のある玄関。扉は重厚な銅板で、周りには布目状のタイルがあしらわれています。

出典: icoico

『大阪農林会館』のシンボルである阿部式の柱時計。「飾りかな?」と思ったら、しっかりと動いています。それどころか、この柱時計が各階エレベーターホールの全ての時計に連動しているのだとか!

スタッフの方は、毎朝この柱時計のネジを回すことから、一日の仕事が始まるのだそうです。

実際に連動している柱時計は日本でも数少なく、修理できる職人さんも減っているのだとか。

出典: 大阪農林会館

階段も、建てられた当時のまま。彫りが入った木製の手すりに時代を感じます。

エントランスには、華やかなシャンデリアが。一度は蛍光灯に変わったものの、建築当時の光の温かさを蘇らせるため、8年前に再度取り付けられたそう。

出典: icoico

こちらの写真は、205号室のジュエリーショップ『sowi』。大阪農林会館の建築当初のレトロな内装が随所に残っています。

ワイヤー入りの窓ガラスと、その下にあるラジエーター暖房機能も、昭和時代の名残。窓ガラスから光がやわらかく入ってくるので、部屋の雰囲気がとても温かくなります。壁に弧を描くアーチは、館内の柱が六角形のため。とても優雅です。

出典: icoico

そして、各階の西端にはビルトインタイプの金庫が。大迫力です! ドラマに出てきそうですね。

出典: icoico

こちらは1階から5階まで伸びている謎の箱。“郵便”と書いてあります。

実はこれ、三菱時代から使われていたメールシューターなのだそう。最上階から、ストンとメールが落ちていく仕組み。

現在は、むき出しになっている配管の一部を入れるのに活用されています。

出典: 大阪農林会館

「古いビルですし、便利がいいわけではないんです。でも、この古さ、レトロ感を理解してくれる人が自然に集まってきます。みんな、大好きなんですよね。このビルが」と、会館を案内してくれた、スタッフさんが笑顔でおっしゃっていました。

とてもよい気が流れている、心斎橋のタイムスリップスポット。ぜひ、大切なものを探しに、訪れてみてくださいね。心が落ち着きますよ。

【施設情報】
大阪農林会館
●LOCATION
大阪市中央区南船場3丁目2番6号
●TEL
06-6252-2021

文・写真/田中稲

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