明治・大正・昭和と激動の時代にあって、常に新しい世界に挑戦した表現者・与謝野晶子。明治11年(1878年)に現在の堺市甲斐町にあった和菓子商『駿河屋』の3女として生まれ、少女の頃から文学作品に親しんでいたといわれています。そして、文芸雑誌『明星』に作品を発表。その後、第一歌集の『みだれ髪』は文学界に大きな影響を与えました。

『与謝野晶子記念館』では、そんな女性の人生を垣間見ることができます。

出典: icoico

 

さかい利晶の杜「与謝野晶子記念館」

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この『与謝野晶子記念館』は、さかい利晶の杜の2Fにあります。

入り口の扉を開けると、センサーに反応して映像と音声で詩歌の世界が始まります。

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そして奥に進むと、目に入るのは与謝野晶子の著書の装填です。ぜひ、近くまで寄って見てみてください。

晶子の著書の装幀は一流の作家が手がけたものが多く、美術品としても価値の高いものばかりなんです。これは、晶子の夫・与謝野鉄幹が「後世に残るものでなくてはならない」という考えを持っていたからだとか。

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また、晶子の在りし日の姿を動画で見ることができたり、朗読する肉声を聴くことができたりするコーナーも。ぜひとも体感してみましょう。

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与謝野晶子って、どんな人物なのだろう? そんな風に興味が沸き上がることでしょう。

 

与謝野晶子の世界観へ引き込まれていく

与謝野晶子という人物を知らなくとも、ここには引き込まれる独特の世界観があります。たとえば、ここで紹介されている強烈な言葉のメッセージは、目から脳へ、そして心の中に響きます。

「君死にたまふことなかれ」

これは戦場に赴いた弟に向けて「弟よ、死なないで下さい」と呼びかけた有名な一文。時代背景を知らずに見ても、心に留まるこの言葉。その意味を知ると、さらにグッと胸が熱くなります。

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夫の寛(与謝野鉄幹)との出会い、新しい詩歌の世界を切り開き歩んだ生涯と業績、また12人の子ども(6男6女)の母としての愛情の深さなどが分かります。

驚きの一面としては、なんと、子どもの名前にヨーロッパ風の『オウギュスト』や『エレンヌ』とつけたことや海を越え世界に渡ったことなど。時代背景を考えるとすべてが斬新で、型破りな所が面白い人です。

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展示品には、晶子の詩集文集のほか、夫・寛の自筆原稿(複製)なども。

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そしてこのフロアには、晶子の生家『駿河屋』が、ほぼ実際のサイズで再現されています。西洋好みの父が建てた家は、当時としては珍しく大きな時計がかけられています。また、2階は洋風だったようです。

このように、当時でいう“ハイカラ”な家に育ったからこそ、好奇心が強く情熱的で、まっすぐな女性が誕生したのかもしれませんね。

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駿河屋には、晶子が店番をしながら文学作品を読んだという帳場も再現されています。ここが与謝野晶子の文学の出発点といえるでしょう。

 

与謝野晶子の生家「駿河屋」跡へ

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与謝野晶子の生家『駿河屋』は、さかい利晶の杜『与謝野晶子記念館』から歩いてすぐの場所にあります。現在は路上に石碑があり、目の前には路面電車が走っていますよ。

知れば知るほどに魅力があふれる素敵な女性。そんな与謝野晶子に、思いを馳せてみてはいかがでしょうか? 力強い生き方に、惚れてしまうかもしれません。

【施設情報】
さかい利晶の杜「与謝野晶子記念館」
●LOCATION
堺市堺区宿院町西2丁1-1
●TEL
072-260-4386
●観覧時間
9:00~18:00(最終入館は17:30まで)
●休業日
第3火曜(祝日の場合は翌日)
年末年始
●観覧料
大人(大学生含む)300円
高校生200円
中学生以下100円
(未就学児は無料)
※上記はすべて個人の料金です。
※10名から団体料金です。

文・写真/旅人間

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