■森 百合子さんのつくる雑穀のおはぎ

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自分の手で何かものづくりがしたくて、森 百合子さんが思いついたのが、雑穀のおはぎ。「前職ではテキスタイルデザインの仕事をしていましたが、使う人に喜ばれているか実感がもてなくて。ある時、自分がしょっちゅうおはぎを買っていることに気づいたんです。世代問わず好まれ、食べ飽きない。おいしいものは人を幸せにする…。これなら! と思いました」

それから毎日あんこを炊いてとことん試作。友人の協力で次々イベントが決まり、今に通じる5種類(あんこ・きなこ・みたらし・くるみ・ほうじ茶)が誕生しました。するとたちまち人気を呼び、どこに出店しても大行列。同業の先輩にも助けられ、2010年、実店舗をオープンしました。

「思いついた時は、10年先のことやと思っていたのに、パワーが集まるのを感じて、今やるしかない! との思いですぐに開店することに」

以来、工房拡大、北新地に出店……と、走り続けてきましたが、昨年までの2年間は新商品を作らず、定番のブラッシュアップにあてたそうです。「一つずつ向き合ってベースのレベルを上げていきました。餅米は精米したてで届けてもらうとか、一から素材や製法を見直して。SNSで〝久しぶりに食べたらめちゃおいしくなっている!〞って投稿があってうれしかったですね。気付く人は気付く。変わらずおいしいものって同じように見えて、こんなふうにちょっとずつおいしくなっていっているんやと思います」

どんな素材でも〝しみじみおいしい〞ことを大事にしている森さんの思いが、愛され続けるおはぎを作っています。

 

■これまでになかった素材合わせの妙

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(左から)
・焼き栗黒米もち 213円
毎年心待ちにするファンも多い、秋冬限定の栗のおはぎ。栗の食感を残した渋皮栗の餡の中に、栗と砂糖だけで作ったきんとん! 素朴な黒米もちと合わせ、自然なおいしさを際立たせています。「栗はとても繊細なので、ぜひお早めに召し上がってください」。5月頃には木の芽味噌、初夏の落花生、夏の焼きとうもろこしが。季節の味を追いかけてみて。

・本醸造みたらし雑穀もち 149円
おいしさの要である、つやつやのみたらしのたれは創業160余年の博多「ジョーキュウ醤油」の再仕込み醤油で作っています。「100年以上使い続ける木桶で時間をかけて作られていて、タレの香りとキレが違うんです」。お餅を炙るひと手間で香ばしく仕上げ、くどくなく、すっきりとした甘みに。懐かしくも洗練された味わいで、子どもにも大人気です。

・くるみ黒米もち 166円
口にすると、クルミの香りがふわりと立ち上ってうれしくなります。「甘過ぎると香りが感じ取れなくなるので、ベストなバランスを丹念に探りました。コクがあるけど、重くなく、クルミを楽しめる、私のおすすめです」。クルミは焼いて風味を引き出し、細かく砕いたものと、粗く刻んだものをあんこに混ぜ込むことで、食感も香りもクルミらしくなります。

・鳴門金時雑穀もち 167円
見た目に選ばずにはいられない、秋限定のおはぎ。ほっくりとした鳴門金時を皮付きのままじっくりと蜜煮して、きれいな色とやさしい甘さを大切に。お餅にころころとトッピングし、青大豆のきな粉“うぐいす粉”と黒ゴマをはらり。中には小豆あんが入っています。秋に恋しくなる、おイモのほくほく感、甘さと香りがそのまま伝わってほっこりとした気持ちに。12月上旬まで。

・ほうじ茶黒米もち 127円
ほうじ茶の香りが口いっぱいに広がって、飲むのとはまた違う、しみ入るような味わいに感激するはず。ほろ苦さの後には、香ばしく、甘い余韻が続く、幸せな後味。京都の老舗の茶葉を細かく砕いて、あんこに練り込んでいます。「ほうじ茶は茶葉を入れ過ぎると渋くなるので加減が大事」。餅には古代米の一種、黒米を混ぜ込み、プチプチッとした食感も◎。

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【店舗情報】
森のおはぎ 大阪・豊中
●LOCATON
豊中市中桜塚2-25-10 阪急岡町駅から徒歩7分
●TEL
06-6845-1250
●営業時間
10:00~13:00、14:00~売り切れ次第終了 ●日・月曜休
カード利用不可

 

森乃お菓子  大阪・北新地
●LOCATION
大阪市北区曾根崎新地1-1-43 第2大川ビル1F  JR北新地駅から徒歩4分
●営業時間
16:30~22:00売り切れ次第終了 ●日・祝休
カード利用不可

 

■行列必至! 今話題の店もサポート

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姉妹店「キツネイロ」はどら焼きがメインに揃います。「ここで育ったスタッフに、自分色の店を出してもらえたら」と、出店をサポート。たっぷりの卵と米飴で生地をつくった小豆あん、黒糖生地のレモン寒と小豆あんなど、開店早々に売り切れる人気。9時から整理券を配布し、6個セットで販売。「森のおはぎ」のおはぎも6種類ほど揃います。

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【店舗情報】
キツネイロ 兵庫・伊丹
●LOCATION
伊丹市伊丹2-3-20-101 JR伊丹駅から徒歩2分
●TEL
072-768-9158
●営業時間
10:00~18:00(売り切れ次第終了) 定休日:月・火曜休
カード利用不可

 

(『 SAVVY 』2019年1月号P30-31掲載)編/icoico編集部

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